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キャッチボール1

ある日

いつもの様に開店準備を済ませて

さぁぁっ!、今日も仕事を頑張ろうと思い、

店内で作業をしてから

暫くして、

品の良い、綺麗な白髪の御婦人が

お越しになられました。



私は今回は、直ぐに声を掛けませんでした。
掛けずらかった雰囲気がありました。

何かしら、遠くを見つめ、
深く考えていらっしゃる御婦人。






漸くして、彼女から、

長年連れ添った御主人が無くなった、

生きている意味が無い、

あの人の元へ行った方が良いのか、

夜昼逆転しているし、、、

どうしたら良いのか? と。





御婦人は、

人生経験の遥かに貧しく

頼り無い若輩者の私に

心の迷いを訥々と
お話しして下さいました。


皆さんなら
どう答えられますでしょうか?


いゃぁ、分かりませんよ、もありますし
元気出して下さいよ、 もありますし
ずうっと黙っている、 もありますし
先輩に代わってもらう 、 もありますし。

正直まだ自分の中で
御婦人の様な
悲しみの極致である体験を
していない私には、
掛けるであろう言葉は
難しいものでした。



遠い眼差しと
御婦人の悲しみに溢れている御顔


そうだ、
もし御主人様が、
今生きていらっしゃったら、
奥様の、こんな悲しい御顔を見ても、
御主人様も悲しくなって
あの世へ安心していけないん
じゃないですか?
奥様の素敵な笑顔を
きっと何時も見ていたい筈ですよ。
呵々大笑とは語弊がありますが、
笑っていらっしゃる方が
よろしいかと、、、


御婦人は、はっとされて
少し明るくなられ
後日改めてお礼に
お越しになられました。


投げかけた言葉が

合っている、間違っている

直ぐに答えて(応えて)
くれないかもしれません。

相手にも自分にも
良い意味で高め合う
言葉のキャッチボールを
続けていきたいですね。
(これがまた難しいです、本当に)

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